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一人三役はパートナー社員(時間勤務社員)から社員への1ステップ

制度を活かしたベストプラクティス表彰

三州製菓さんでは、パート社員さんのことを「パートナーさん」と呼んでいます。
この言葉にも、働く仲間への心遣いや同じ業務に向かう意識づくりがうかがわれます。
一人三役制度は、もともと工場や店舗に女性社員が多かったことから、現場での女性の発言や提案が、高い業務能力であることに気づき、その能力を活かそうという取り組みでもあります。
ですが、制度は使わなくては意味がないということから、「一日一善制度」を取り入れ、お互いにどのように助け合ったかを朝礼ごとに発表し、結果は社内LANに載せて全社で情報を共有しているそうです。さらにベストプラクティスを月間表彰しています。
ここで大事なことは、ベストプラクティスの意義と成果です。
一人三役制度では、メインの業務と他の職務を応援できる能力の2つを併せ持った社員養成が必要になります。いくら制度を決めても、社員に活用する意欲がなければ、形に終わってしまいます。多くの企業が女性活躍推進やワークライフバランスへの施策において、ぶつかる壁はここにあります。
そこで、三州製菓さんでは、これらの活動は、一人三役推進委員会、月間優秀社員委員会を通じて、社員が主体的にボトムアップで推進しています。これであれば、有給も取得しやすくなりますし、急な休暇や早退も気兼ねせずに申し出る環境が整います。ワークライフバランスの推進も円滑に進みます。

一人三役は全社一丸となって成果を生み出す

そして何よりも、メイン+サブの業務能力養成は、「仕事を知る」ことによって大きな成果につながります。

たとえば電話応対一つをとってみても、大きな違いを生みだします。総務担当の社員が、商品流通の担当者あてにかかってきた電話を受けたとします。相手はお得意様です。ところが、商品流通の担当者が休みだったとしましょう。セクショナリズムの強い組織では、「少々お待ちください。担当部署におつなぎします」で終わってしまいます。

ですが、三州製菓さんでは、「申し訳ございません。○○は本日、終日、外出しております。ご用件を伺いまして、すぐにご対応できる部署におつなぎいたします」と積極的につなぐこともできるでしょう。さらには、「すぐにおつなぎいたしますが、失礼ですが、・・・・はお決まりですか?」というように、つなぐ先の担当者にわかりやすい情報提供をしながら伝言接続をすることができるのです。当然、お客様にしてみれば、全社を挙げて取り組んでくれているという満足につながります。
一人三役は、お客様の満足度を高め、企業力を高める取り組みそのものなのです。おそらく、会議の成果も高いものであると想定できます。自部署を優先した発言は影を潜め、自部署がどのように貢献することができるのか、という観点からの意見がでるのではないでしょうか。効率と成果の高い会議です。

会議での男性発言禁止タイム

また、会議では、「男性発言禁止タイム」があるそうです。どうしても男性の幹部社員の発言が多くなり、若い女性が発言しづらくなりがちな社内会議の雰囲気を念頭に置いて導入したそうです。この取り組みは、女性の脳力、能力を本気で活かそうという姿勢が感じられます。このあたりが、腰砕けになってしまう施策を形骸化してしまう組織との大きな違いであるといえるでしょう。

女性社員さんの声

では、実際に働いている女性社員さんにお話をうかがいました。
佐藤歩実さん(勤務歴1年・パートナー社員から正社員へ)、並木久美子さん(勤務歴2年3ヵ月、パートナー社員)のお二人です。

Q:三州製菓さんにご勤務なさって、最初に感じたことはどのようなことですか?
佐藤さん:社員に関する指針などを入社前に見て、ここまで詳しいのは初めてでした。 入社してみて、想像していたとおりなので、不安なく勤務できました。
並木さん:同じ目標に向かってみんなが働いていることを実感できます。出産後、前職 に復帰したのですが、子育てには難しい環境でした。ここでは、家庭とのバランスを図りながら仕事をすることができています。

Q:一人三役には上手く取り組むことができていますか?
佐藤さん:広範囲にいろいろな仕事を経験できるので、早く一人前になって、自立できるようになりたいと思っています。とにかく、周りの方に恵まれていることをいつも実感しています。
並木さん:あまり意識せずに、自分で行動ができています。制度があるから、というこ とではないと思います。

お二人の言葉の中から、組織の中で「活かされている」という実感が伝わってきました。
インタビューの間、微笑みながらお二人を見つめていらっしゃる板垣マネージャーのお顔も輝いてみえました。

次回、第三回では三州製菓さんの人財力を培っている「委員会」制度について、その成果に言及しながらご説明します。どうぞ、お楽しみに。。

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